酒々井町 防災情報
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この情報は、災害の危険性のある箇所・区域とともに、避難所をまとめたものです。町民の方々に災害対策等に役立てていただくために作成したものです。(参考:酒々井町地域防災計画、千葉県ハザードマップ等)
酒々井町の地形・地質等
(1)地 形
町の地形は、下総台地とこれを印旛沼周辺より樹枝状に削る低地及び人 工地形によって構成され、これを、土地分類基本調査(昭和57年)でみると、 次のようになります。
- 1.台地(中位砂礫(されき)台地、下位砂礫台地、斜面)
- 2.低地(谷底平野、三角州平野、自然堤防、砂州(さす))
- 3.人工地形(切土・盛土地、干拓地)
低地(谷)は、町の北部では北側から北西に開き、印旛沼に向かっています。
町の南部の谷は高崎川となり、富里市から町域を横切って西へ流れ、谷津の水田等を形成しながら、佐倉市を経て印旛沼に注いでいます。
印旛沼に続く町の北西部は、三角州平野と干拓地で作られた水田で、台地との境である京成酒々井駅付近に自然堤防が形成されています。
又、町の中心部、JR酒々井駅周辺は、もとの地形を改変して住宅団地等が形成されています。
標高は、0.3m(印旛沼に続く低地水田)から38m(台地部分:飯積地区)であり、台地と低地の境には斜面緑地等が分布し、これらの一部は急傾斜地のために、風雨、地震等の影響を受けやすい箇所となっています。
(2)地 質

下総台地の地質は、洪積層である成田層(15万年〜10万年ぐらい前)の砂、粘土、礫層(れきそう)が重なり、さらにこの上を塩基性安山岩質の火山灰が堆積したもので、火山性の岩石と未固結の堆積物からなっています。
火山性の岩石は、立川・武蔵野・下末吉のローム層であり、台地上に広がっています。
未固結の堆積物は、約1万年以前より若い地層が沖積層、1万年から200万年ぐらい前に堆積した地層が洪積層です。
谷底平野と三角州平野(印旛沼付近の低地等)は、沖積層と洪積層の堆積物に占められています。
町内各所のボーリング調査でみた表層地質の状況は次のとおりです。
1.砂州
調査地は、京成酒々井駅北の柏木地区に位置し、標高は6mです。
土質はシルト、粘土質シルト、シルト質細砂、粘土等からなる。
地盤は、深度12mで比較的固く(N値16以上)なる。
地下水位は、深度3mと浅く、地震の際、液状化の影響を受けやすい地盤となっています。
2.三角州平野
調査地は京成酒々井駅西の中川地区に位置し、標高は4.2mです。
土質はシルト、シルト質細砂、細砂等からなる。
地盤は、深度5mで固い層(N値31)があるが、そこからやわらかくなり、深度27mでは非常に固くなる(N値50)。
地下水位は、深度1mと浅く、地震の際、液状化の影響を受けやすい地盤となっています。
3.谷底平野

調査地は伊篠地区に位置し、標高は18.9mです。
土質はシルト質粘土、シルト質細砂、細砂等からなる。
地盤は、深度15mで非常に固くなる(N値50)。
地下水位は比較的浅い。
4.人工地形の切盛地
調査地は、JR酒々井駅駅前広場周辺の切盛地で、標高は8.5mで、もとは、浸食谷を形成していた部分とみられます。
地盤は、深度14mまでやわらかく、そこからは非常に固くなる(N値50)。
やわらかい盛土部分で地震の際の影響が想定されます。
地下水位は比較的浅い。
5.中位砂礫台地
調査地は、墨地区の台地部に位置し、標高は36.9mです。
土質はローム、粘土、粘土混り細砂等からなる。
地盤は、深度7mまでやわらかく、深度8mで固くなり(N値20)、深度14mで非常に固くなる(N値50)。
地下水位は、比較的深く深度10m程度です。
(3)河川等
町に関係する大きな河川等としては印旛沼があり、その他は小規模な河川・水路等です。これらの中でも被害を及ぼすおそれのある河川等として、印旛沼、高崎川、中川、江川があげられます。
ア 印旛沼
印旛沼は利根川水系の中でも有数の大きな湖沼であるため過去においては、町に多くの被害をもたらしました。近年は治水工事の完了により、大きな水害はなくなりましたが、過去10年間には大雨により水田の冠水が数回あり、警戒を要します。
イ 高崎川
町の南部を流れる一番大きな川です。富里市から町域を横切って西へ流れ、佐倉市を経て印旛沼に流入しており、集中豪雨による溢水のおそれがあります。
ウ 中川
町の中央部を横断して印旛沼中央排水路に流入しており、宅地開発等による堤防が完成しています。中川は主に両側を住宅地とする地域を通っており、堤防の決壊等による溢水は、直接人家に重大な影響をもたらすので降雨時には警戒を要します。
エ 江川
町の北東部を縦断し、成田市に入り、印旛沼に流入しています。両岸の多くは農地ですが、集中豪雨による溢水のおそれがあります。
※N値 土や地盤の硬さを調べるときに、地中に鉄筋のような硬いものを打ち込むと、やわらかい地盤では簡単に入りますが、硬い地盤ではなかなか入りません。このように物体を地盤中に押し込んだり、引き抜いたり、回転させたりするときの抵抗値によって地盤の硬軟状況を調べる方法をサウンディングといいます。
N値は標準貫入試験といわれる代表的なサウンディングによって求めた値で、地盤の硬軟や締り具合を示します。標準貫入試験は、質量63.5kgのハンマーを75cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm貫入させる試験です。このときの貫入に要する打撃回数(50回を限度とします)をN値といい、N=2、N=30のように表示します。
想定地震と被害想定
想定地震については、酒々井町防災アセスメント調査(平成8年度)において、千葉県による「直下型地震対策等対策調査」(平成3〜5年)に基づいて被害想定が行われており、これをもとに、千葉県中央部地震によるものとします。
1 想定地震
(1)地震の規模等
千葉県中央部地震(直下型、マグニチュード7.2、震源の深さ20km)
(2)地震の発生季節等
冬の時刻(午後5時〜6時)
(3)気象条件
晴れ、ほぼ北西の風、風速5〜15m/秒
2 被害想定
(1)地表最大加速度(震度)分布
地震による揺れは、一般に地盤の形成年代と関連があります。即ち、新しい地層が厚く堆積している程大きくなることが過去の地震被害の状況から知られており、震源の位置と地震波の伝播経路の地質により震度も影響を受けます。
町の地表の地質は、下総台地(第四期層)とこれを削る谷底平野及び印旛沼周辺の低地(沖積層)であります。谷底平野等及び台地上ともに地表最大加速度は大きく、印旛沼周辺の低地で震度6強以上、震源域に近い町の南側域が震度6強及び震度6弱、北側も震度6弱及び震度5強と想定されます。
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(2)液状化危険度
地盤の液状化は、砂の粒子の大きさが比較的そろっており、地下水位の浅い地(堆積が比較的新しく、未だよく締まっていない地盤)で多く発生します。そして、町における地盤の液状化危険度をみると、高崎川等の谷底平野及び印旛沼周辺の低地で、最も高くなっています。
危険度ランク | 液状化危険度摘要 | 対策の必要性 |
A | 極めて高い | 液状化対策が必要となる可能性がある |
B | 高い | |
C | やや高い | 重要な施設での液状化対策が必要となる場合がある |
D | 低 い | |
E | ほとんどない | 特に重要な施設での詳細調査が必要な場合がある |
F | な い | 対策は必要ない |
項目 | 被害想定 | 備考 | |||
種別 | 被害の程度 | 数量 | 被害率(%) | ||
建物被害 | 木造 | 大破 | 38棟 | 0.72 | |
中破 | 151棟 | 2.90 | |||
焼失 | 1棟 | 0.01 | |||
非木造 | 大破 | 9棟 | 1.04 | ||
中破 | 37棟 | 4.28 | |||
焼失 | 1棟 | 0.01 | |||
火災被害 | 一般火気器具 | 出火 | 1.4件 | ||
化学薬品 | 〃 | 0.1件 | |||
危険物施設 | 〃 | 0 | |||
ライフライン被害 | 上水道 | 管被害 | 177箇所 | 100.00 | 復旧想定12日 |
下水道 | 〃 | 0箇所 | |||
ガス管 | 〃 | 8箇所 | 復旧想定4日 | ||
電気 | 電柱被害 | 25本 | 0.55 | ||
電話 | 電話柱被害 | 4本 | 0.27 | ||
〃 | 地中ケーブル被害 | 1箇所 | |||
土砂災害 | 斜面崩壊 | 60箇所 | |||
斜面崩壊による潰家数 | 0.6件(棟) | ||||
人的被害 | 建物倒壊・火災による被害 | 死者数 | 5人 | ||
負傷者数 | 9人 | ||||
避難者数 | 366人 |
○大破:倒壊および現状のままでは住めない状況の建築物で、具体的には次のような状態のものをいう。
- a)建築物が大きく傾き、修復不能な状態あるいは倒壊したもの
- b)取り壊しまたは大規模な全面補強工事を必要とするもの
- C)接合部が抜け出し、建築物の一部が鉛直加重に対する耐力を失っているもの
- d)柱、梁、筋かい等の骨組みに重大な損傷をきたしたもの
○中破:そのままでも住める状態であるが、かなりの修復を必要とする建築物で、具体的には次のような状態のものをいう。
- a)部分的には柱、梁、筋かい等に損傷をきたしているが、建築物全体として、著しい耐力の低下はないもので補強または補修工事で復旧が可能なもの
- b)仕上げ材などにひび割れが発生し、その一部が剥落しているが、柱、梁、筋かい等の構造材には重大な損傷のないもの
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水害危険区域
町には、千葉県水防計画による重要水防区域の該当はありません。過去の水害の 状況等から、大雨の際に警戒を要する区域は、高崎川、中川及び江川流域とします。
特に、中川の下流部流域では、水害により、中心市街地の一部住宅等被害、 道路支障等が、又、江川流域では水田の冠水が想定されます。
急傾斜地区域
県(国土交通省)の急傾斜地崩壊危険箇所(斜面高10mを超え、勾配45度を超える等の素因要素、斜面の亀裂等の管理要素、のり尻から家屋までの距離等の要素による総合的な危険度の判定の調査)は、次のとおりです。
No | 箇所名 | 人家戸数(戸) | がけ状況 | 危険度ランク | 備考(地域名) | |
高さ(m) | 延長(m) | |||||
1 | 宮下 | 28 | 20 | 300 | A | 酒々井小学校下 |
2 | 溜ノ台 | 16 | 20 | 350 | A | 宗吾参道駅周辺 |
3 | 東新田1 | 7 | 18 | 220 | A | 同上 |
4 | 東新田2 | 13 | 13 | 280 | B | 同上 |
5 | 大崎台 | 5 | 20 | 250 | − | 上岩橋 |
6 | 池ノ台 | 8 | 15 | 350 | B | 馬橋 |
(平成11年4月1日現在)
ランク | A | B | C |
内容 | 危険度高い | やや危険 | 危険度低い |
切土と盛土
(1)切土(きりど)
傾斜地等を整地するために、傾斜地の高い部分の土を削り取ることをいいます。住宅を建設する際などに、土地の環境・機能を整えるために、必要な宅地造成工事のひとつで、土を切り出して土地を整えることをさします。
(2)盛土(もりど)
傾斜等のある土地に建物を建設しようとするとき、土を盛って土地を平らに整地することをいいます。土を盛って土地を平らにすること、あるいは盛った土のことをさします。
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一般に造成地では、切土と盛土の両方が施工されることが多く、盛土は切土に比べ軟らかいので、注意が必要です。 |
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